で、ヘイワード、そのあとにもう一度、神のお告げを聞いたって書いてあったの覚えてる?
「さらにこのあと夜が明けきらない時間にもまた、『はよ東京に出る支度をせんか』との声があった」って?
そのとき、間さんは、一刻も早く東京に行く準備をしようと思い立ったのかもしれないね。
でも、自分がそこで、そんな(急な?)ことを思い立つなんて、間さんには、まったく思いも寄らないことだった。
いや、そのこともまた裏返しにして、語弊があるかもしれないけど、こう言い直してみようか。そのとき間さんには、自分がそんなことを思い立ったはずはないという自信があったんだ、って。
間さんは、一刻も早く東京に行く準備をしようと思い立った(現実)。だけど、その間さんには、自分がそんなことを思い立ったはずはないという「自信」があった。
このように、「現実」と「自信」とが相反したところで、間さんがとることのできた手は、あたしが思うに、さっきと一緒で、次のふたつのうちのいずれかだよ。
- A.「現実」に合うよう、「自信」のほうを訂正する。
- B.「自信」に合うよう、「現実」のほうを修正する。
そしてここでも間さんは、後者Bの「自信に合うよう、現実のほうを修正する」手をとった。自分が一刻も早く東京に行く準備をしようと思い立ったはずはない、とするその「自信」に合うよう、「現実」をこう解した。
「はよ東京に出る支度をせんか」という声が聞こえてきた、って。
今回の最初の記事(1/5)はこちら。
「統合失調症の◯◯を理解する」シリーズは下のなかの「統合失調症理解#1〜15」です。