追い詰められてた間さんは、午前3時頃、畳の目をジーっと見ているうちに突然思い立った。「東京に行かないとダメだ。行って勝負しよう」(現実)。だけど、その間さんには、自分がそんなことを思い立ったはずはないという「自信」があった。
こんなふうに「現実」と「自信」とが相反するに至った場合、ヘイワード、お前さんなら、どうする?
そこでお前さんが打てる手は、おそらく、次のふたつのうちのいずれかだよ。
- A.「現実」に合うよう、「自信」のほうを訂正する。
- B.「自信」に合うよう、「現実」のほうを修正する。
お前さんなら、どっちとるね? Aの「現実に合うよう、自信のほうを訂正する」手? その手をとって、自分が、東京に行って勝負しようと思い立つほど、追い込まれていることを自覚する?
けど、そのとき間さんがとったのは後者Bの「自信に合うよう、現実のほうを修正する」手だった。間さんは、自分が東京に行って勝負しようと思い立ったはずはない、とするその「自信」に合うよう、「現実」をこう解した。
突然、「東京に出なあかん。東京へ出てひとつ勝負してみい」という声が聞こえてきた、って。
いま言ったことをまとめてみるよ。
- ①東京に行って勝負しようと思い立つ(現実)。
- ②自分がそんなことを思い立ったはずはないという「自信」がある(現実と相反している自信)。
- ③その自信に合うよう、現実をこう解釈する。「突然、『東京に出なあかん。東京へ出てひとつ勝負してみい』という声が聞こえてきた」(現実修正解釈)
「統合失調症の◯◯を理解する」シリーズは下のなかの「統合失調症理解#1〜15」です。